【TEPPEN】スピリット真空の極意

はじめに

こんにちは、ViruSです。今日はGO環境における真空波動拳の解説記事を書いていきます。始めたての初心者を置き去りにすることになりますが、中級者以上なら知っているであろう知識・用語解説は省いてテンポよく話を進めていきます。んじゃさっそくスタート。

 

1 構築について

r3r0nir41.hatenablog.com

構築の大枠については前回お話ししたことから変わっておりませんので、こちらの記事を見れば構築に関しては8割程度理解していただけると思います。今回の記事では、僕がどのような過程を経て真空波動拳というデッキと向き合ったのかを時系列とともにお話しします。

 

①環境序盤

まず環境初期のデッキリストはこれでした。この時点での考えとしては、とにかく攻めることを意識していました。せっかく新弾が来たんだから新シナジーやカードを使いたいという気持ちは全くなく、ただただ合理的に強いリストを模索していました。その結論として組んだのがこの30枚です。

 

②環境中盤(前半)

WCS予選から数日が経過し、メタが変化しました。環境初期は黒単瞬獄殺が多かったのですが、赤単滅昇竜が流行ったことでその数を減らしました。その結果、赤単滅昇竜とミラーのマッチ数が増加したため、真空のリストを少し後ろ寄りに調整しました。バルハラー等を積んだ型も検討しましたが、モイラ採用には大して効果がないのでプレイ時を優先しました。

 

③環境中盤(後半)

環境中期の後半になると、一度環境的に劣勢だった黒単がまた台頭してきました。《黒き断罪》や《巨大な番人》を積んだ少し後ろ寄りの形態変化や瞬獄殺等が増えたため、《バル》を一枚減らすことで手札詰まりを軽減しつつ、《ジンオウガ》と《サガット》を増やした攻撃的な真空へとシフトチェンジしました。

 

④環境終盤

この時期になると、マッチする対面が雑多になってくるというのは毎環境のお約束。その為、攻守両方の側面を併せ持った平均値デッキで安定択をとるか、攻めに寄せたデッキでマッチング運に委ねるかの2択に絞られました。しかし、安定択では盛れないというのが僕の見解で、ポイントを盛るなら振り切ったほうがいいです。ただ、そういった型は短期での結果と引き換えに振れ幅が大きくなりますし、性質的にそのような選択を嫌うので安定択を採用しました。《ミノト》の枠を《バルハラー》に変えるなど、いろいろ試行錯誤したり、形態変化に魂を売ったりしました。

 

⑤結論

今期の総勝利数585勝のうち385勝は真空の考察に割り当てたんですが、その結果たどり着いた結論がこれ。正直、数枚入れ替えるとかは誤差の範疇でしかなくて、基礎的な動きが分かっている人は構築とか関係なく盛れます。少なくとも、真空波動拳を来期から触りだす人はこの構築が一番お勧めできます。

 

調整について思うこと

おそらく僕のブログを読んでくれている人は中間層のプレイヤーが多いと思います。そして、そのほとんどがデッキをコピーするところから始めていて、そこから少しいじるという人が多いのではなかろうか。

 

僕の見解として、その手の人は2100が関の山だと思います。学校の定期テストは要点だけをプリントや資料などで対策すれば点は取れますが、公開テストや実力テストは理屈を理解していないと得点できないのと一緒です。仕組みの部分を根本から理解できていないので、変にいじってデッキを弱体化させてしまいます。

 

「調整する」って実はめちゃくちゃ難しいんですよね。何故ならデッキ理解が必要不可欠だから。ガチ勢とエンジョイ勢が対面相性や構築について議論するとしばしば対立が起きますが、その原因がこれ。共通のデッキ理解がないと、もはやそれは言語が違うといっても過言ではない。

 

僕が調整する際に意識していることは、まずそのデッキを知るということ。そして、ダメ元でもいいから全部試すということです。実際、前回のブログでレビューしたカードはそれぞれ試しましたし、その特性も理解しました。理解したうえで、自分好みにカスタマイズしていきました。

 

正味な話、GOD到達リストが正義ってわけではないですからね。上位者が使っているリストだってそう。まず疑ってかかったほうがいい。シャア専用ザクシャア専用なんだから、自分に合うザクに乗る方が結果が出ます。まずそのデッキについての理解を深めて、そこからカスタマイズしてくださいね。

 

負けの期間を作る

特に新環境一か月目ではこれが大事になります。Tierが高いデッキであればあるほど、正解手・定石というのは早く固まります。抜きんでるために必要なのは、正解手を知ることはもちろん、そのうえで弱い札からの巻き返し方を知ることです。

 

ぶっちゃけ、僕はランクマッチは後半に勝てればそれでいいと思っているので、前半は全部負けの期間としていろいろなことを試します。苦手な対面であえて先出しをしてみるとか、勝ちに行くときは絶対にキープしないハンドで回してみるとか、そういったハンデをあえて背負うことによって勝ち筋の模索を計ります。

 

この作業を怠ると、後半のレート戦で不利を背負うことになります。何故なら、上振れた時の勝ち方しかわからなくなるからです。その結果、不利対面ではまず勝ちきれなくなりますし、同格かちょい下の相手に負け越すことになります。ミラーマッチだってそうです。先出ガン不利?それ、マジで言ってんの?

 

ジンオウガ採用・不採用論

スピリット真空波動拳の構築において、おそらく一番賛否が分かれるのがこれです。結論から先に言うと、最大値を採るか、平均値を採るかの好みの問題です。ジンオウガを出しただけで大きく有利をとれる試合はあります。黒単形態変化対面とかまさにそれですね。ただ相手のハンドに依存します。

 

赤単ミラーやブレイクアウェイ対面では負け筋になるカードなので、平均値を採るなら非採用型が無難でしょう。ちなみに初心者にはお勧めしません。何故なら、ジンオウガはいわゆる持ちもの検査カードで、出した瞬間にプレイの分岐などが全く関係のない試合になる傾向があるからです。

 

相手が回答札を持っていたから負けた、持っていなかったから勝てた、そういった運ゲーの波に自分から揉まれに行くのは最初のうちは控えるべきです。プレイングミスの分岐を洗う作業が、大体ジンオウガ出したのが悪かったとかになります。それらを加味したうえで使用するのはいいと思いますけど、思考停止でジンオウガ採用だけはマジでお勧めしません。構築についてはこれで終わり。

 

2 プレイングについて

ここからはプレイングについて話します。ブレイクアウェイのナーフによって、今まで抑圧されてきたデッキが台頭するでしょうから、今のメタの相性とかプランについては話しません。根幹となるプレイングについて、抽象的にふわっと話します。

 

まず初めに定義しておきたいのは、今期の真空波動拳「可変速度」のミッドレンジデッキであるということです。僕の調整段階でも触れましたが、メタに合わせて防御型・攻撃型に寄せれるように、今期の真空はかなり自由度が高いです。そういった構築面でも可変なのですが、実はプレイングでその特性を色濃く出せます。

 

勝利ルートを使い分ける

真空波動拳には大きく分けて2つの勝路があります。

①攻撃優先ルート

②処理優先ルート

 

まず①のルートは《ヒノエ》や《バラワッシャ》など、臨戦持ちの高スタッツユニットで先陣を切りつつ、《雪姫》や《ガートルード》で援護射撃を行うというもの。これが決まればメタごと貫通できますし、初心者から上級者まで差がでません。傍から見て今期の真空波動拳がヒノエデッキといわれるのは、このルートが印象的だからです。

 

②のルートは《雪姫》や《ガートルード》を起点として相手の盤面を捌くことに重きおき、テンポをとるというものです。その結果じわじわとMP差が開いていき、ライフ差が開いていくという勝ち方になります。対赤単滅昇竜や怪獣ライフアップなんかはこのルートが一般的なのではないでしょうか。

 

①のルートはもともと敵のフェイスしか見ていなくて、盤面を捌いて防御するというよりも《ヒノエ》をパンプしたり、攻撃を通すために打点を飛ばします。一方で、②のルートは盤面勝負にとことん付き合って、処理するために打点を飛ばします。基本はこの2つのルートを対面ごとにセットして戦うのですが、上手い人はこれらをマッチ中に使い分けます。

 

僕の印象の話ですが、真空波動拳を使いこなせていない人はハンドによってルートを決めます。それ故に、引きに結果が支配されているというか、だれが使っても差が出ない感じに仕上がっています。そうじゃなくて、対面相性と盤面状況とライフ差を鑑みた最適解をケースバイケースで割り出す必要があります。こうして自身でギアを上げたり下げたりすることによって個性がでます。

 

真空ミラーについて

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僕が今期一番PS差が出ると思っている真空ミラーについて簡潔に解説します。まず議論しておきたいのは、先出し・後出しがどの程度影響するのかについてです。結論から述べると、大して変わらないというのが僕の見解です。話を進める前にいったん下の動画を視聴してください。その後の話がスムーズに入ってくると思います。

 

youtu.be

 

相手のランク帯は1900でしたし、構築も少し怪しいところはありました。とはいえ、先出しした+鬼のような下振れでも捲りきっていますよね。🚨バレッタに真空打つ前にヒノエ出せよっていう突っ込みは受け付けておりません。

 

真空波動拳ミラーにおいて勝敗を分けるのは以下の4要素です。

 

①構築

数枚は誤差なのですが、《スパイダー》や《団長》がハマって暴れるとゲームにならないことがしばしばあります。また、大筋から外れたようなデッキはカードパワー的に勝てないこともあるので、勝敗の要因としては構築が一番大きな割合を占めています。

 

②プレイング

スピリットシナジーを活かす・生贄を活用するなどのデッキ理解がないとゲームになりません。また、リスク分散やMP差から割り出される行動の最適解を算出できないとあっさり負けます。アクションの使い方も非常に大事で、ハンドにアクションが詰まったら、ハンドを整えるために休憩する必要があります。上の試合はまさにアクションの使い方で差が出ていますよね。

 

③運とその管理

結局運ゲーかよ!ってなったそこのあなた、ちょっと待った✋。主要となる《ヒノエ》や《バラワッシャ》が引けておらず、スピリットシナジーを活かせない場合は大きく差がつくというのは事実です。ただ、それが構築的に緩和できる場合は別ですし、デバフ先を絞るために《出刃なまはげ》を素出しするなどの工夫を凝らしていない場合は、運のせいにする資格は全くないということは言っておきます。

 

④先攻後攻

以前までの真空波動拳は受け主体で自発的に攻めるのが難しいデッキでした。ですが今期の真空波動拳はどうでしょう、攻め寄りのデッキじゃないですか?後出しレディシェバシェバという死の呪文もありませんし、かなり実力ゲーだと思っています。確かに実力者同士では選択肢を選べる後出しのほうが若干有利です。ただ、ほとんどのプレイヤーが上で述べた①~③の要素で負けています。文句を言うのは勝手ですけどね。

 

運の管理

先ほどに少し述べましたが、スピリット真空波動拳はこれがものすごく重要になります。例として挙げた素出しなまはげもそうですが、それ以外にもたくさんあります。

 

カードカウンティングしてますか?自分は今何枚○○を切って、○○はデッキに何枚残っているなどを記憶して配牌していますか?これをやらないと下振れた時にとんでもなく弱いデッキになるのが今期の真空波動拳の面白いところです。

 

人間ユニットとスピリットは共依存関係にあるというのは前回のブログでお話ししました。ハンドが悪いからと言ってスピリットを切りすぎてしまうと後半に人間ユニットが弱くなり、前半に人間ユニットを切りすぎると後半にスピリットが弱くなります。このことを理解して、切るべき最適解を考え直してください。

 

また、打点振り分けに関しても同様のことが言えます。希望的観測を極力避けて、確定で処理できる、あるいは分のいい運ゲーまでもっていきます。時にはお願いプレイも致し方ないですが、やらなくてもいい運ゲーは避けましょう。

 

波動の道は険しい

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スピリット真空というデッキはいわばTEPPENのイロハが詰まった最高のデッキです。ただ、間違いなく最強のデッキではありません。ブレイクアウェイがいた環境でもそうですが、今後はそれ以上に厳しくなることが予想されます。盛りたいならお勧めしません。

 

ただ、上手くなるためのデッキとしては非常におすすめなデッキなので、長期的な地力を身に着けたい方は是非どうぞ!上級者でも1試合を通してプレミが一つもないというのは稀なので、まずは90%を目指してみてください。ランクインや2100ptは到達可能だと思われます。

 

真空波動拳は言わば修行僧みたいなものなので、デッキパワーで負けたとか、俺はプレミしてないのに負けたとか、運ゲーされたとか、そんな御託をゴチャゴチャ並べる前に、まずプレイを見返して分岐を洗いましょう。

 

おわりに

今回の記事は思うことも多々あったので、少し辛口に書きました。本当はミラーのコツや、《武者の一閃》を《パダム》の返しに打つとその後のスリップダメージも無効化されるなどの豆知識も書こうと思ったのですが、めんどくさくなったので今日はここまでで終わります。それではまた👋ViruSでした。

【TEPPEN】ランクマのすゝめ

1 はじめに

1ー1 ご挨拶

こんにちは、ViruSです。今回の記事は、TEPPENを長く遊んでいる方なら誰しもが耳にしたことがある〝TEPPEN GOD〟を目指すうえで、辿るべき道のり・成長段階をトピックにしています。上手くなりたいけれどそのやり方がわからないプレイヤー層の明確な目標設定を主な目的として執筆していきますので、いずれGODを目指したいと考えている方は是非最後まで読んでください。基本的には前作をより詳細に飛躍させた内容となりますので、まだご覧になっていない方は以下のブログを先に読むことを推奨します。

swag-virus.hatenablog.com

 

1ー2 TEPPEN GODの小話

さて、TEPPEN GODという言葉の意味を知っている方は多いですが、それが使用されるようになった経緯を知らない方は一定数いらっしゃると思いますので、先にその話から始めます。時は遡り、TEPPENがアジアリリースされて1か月後のDOA環境のことでした。

 

当時の環境初期は《死と生の歪み》を採用したインチキウロボロスが環境を握っていたのですが、そこに有利が取れる環境デッキとして4コストモリガンが台頭してきました。そこにいち早く目を付けたよっしというプレイヤーが世界初の2100ptに到達したのですが、同月に2200ptという当時では考えられないような数値をたたき出すプレイヤーが現れます。それが、著名ゲーマーであるchomoshさんです。

 

2100ptですら到達するものが数名だった時代に、今でも通用するような数字を叩き出したんです。それも、まだまだTEPPENの理解が進んでいないリリース2か月目にしてです。当然のごとく、この偉業は世界を超えて界隈中に知れ渡り、当時彼が所属していたコミュニティ内でTEPPEN GODSというカテゴリに分類されました。これが現在でも実力の指標や一種の実績として使用されている〝TEPPEN GOD〟の起源です。以下ソース↓

 

 

悠々と1位を獲れる高みにいた彼なんですが、結局その後も潜り続けてかなりのポイントを溶かしてしまいました。そして、その後の配信で「潜り続けて1位を獲れなくなることよりも、ステイしてこのゲームを遊べなくなることの方が悲しい」と語っていました。渋いっすよね。

1ー3 現在のGODの価値

さて、現在の話に戻ります。昔はもてはやされたTEPPEN GOD及び2200ptなんですが、現在では数多くのプレイヤーが複数回・多数のデッキで到達していることや、2300ptという高みに到達する人達も現れたことで昔ほどの価値はなくなってしまったと上級者間で言われることもあります。しかし…

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2200という数字の威信は、GODという名の称号は…

それでもなお、地に落ちぬッッッ!!!

と、僕の心の中の勇次郎も言っています。実際、環境に依存はしますが上級者だって相当苦労する値です。だから褒め称えられますし、今もなお目標にしている方がたくさんいるんです。他者評価もそうですけど、やり切ったという自己評価を得れる数字ではあると思うんですよね。

 

2 実力の指標

ここからが記事の本筋、到達するには具体的にどのような手順を踏むべきなのかです。TEPPENに限らず、何かを成し遂げたいときには適切な目標設定の他にすべきことがあります。それは、現在地の把握です。自分が今現在どの程度の実力なのかを見誤ると間違った努力をし続けることになるので、まずここを明確にする必要があります。

 

2ー1 ランク帯考察

TEPPEN以外のDCGは各ランクが細かく設定されており、またその中でも階層(ティア)が組まれていることが多いため、○○ランク帯はこういうプレイヤー層といった基準が形成されていると思います。Apexだとマスターやプレデターなんかは到達するだけですごかったりしますよね。ただTEPPENの最高ランクであるチャンピオンって、いわば到達がチュートリアルのようなもので、そこがスタートラインという認識です。

 

ですから、まずこの項では各ランク帯(pt帯)の大まかなプレイヤー層を設定させていただきます。僕一人では荷が重い工程になるので、各シーズンの1位獲得者や2300到達者、大会での優勝経験がある方たちの意見を参考にしています。

 

①~1600帯(アイアン)

1600ptをスタート地点としていますし、低ポイント帯は獲得するptが失うptよりも多いため、この数値を割ることは滅多にありません。カードゲーム自体の初心者や意図的なポイント下げでもない限りありえない数値でしょう。BOTも交じっているのでなかなか落ちないように救済措置がなされています。ちなみにここに落ちてしまうとマッチングの仕様上ランカーをはじめとした高pt帯には極端に当たりにくくなります。

 

②1600~1800帯(ブロンズ)

たとえ初心者でもストリーマーが紹介している「ある程度形になったデッキ」を使用すれば、だれでも到達できるランク帯です。どちらかといえば勝つことに執着のないファンデッキ使いや、ゲーム性というよりはCUPCOMキャラが好きな人が多い印象があります。本気で勝ちにいっているのにこの層から抜け出すのに苦労する人は、デッキ選択が間違っているか、TEPPENの基礎知識が欠落している可能性が高いです。

 

③1900帯(シルバー)

カードゲーマーとしての素養が足りなかったり、デッキ構築が甘かったり、TEPPENに対する理解が足りない場合はここで停滞します。ストリーマーが紹介するガチデッキや、ランカーが公開したリストをとりあえずコピーしている方は多く見かけるので、デッキ選択というよりはプレイングの分岐を間違っている人が多いです。2000ptはよく初心者の第1の壁と呼ばれるので、始めて日が浅い人はここを突破するのに苦労するでしょう。

 

④2000~2099帯(ゴールド)

2000ptという第一の壁を突破したこともあり、完壁とは言えないものの基礎は固まっているランク帯です。ランク分布としては一番プレイヤーが多い層だといえるでしょう。デッキ選択はあっている方が多いですが、アクションの使い方をはじめとした応用スキルが足りていないプレイヤーが多い印象です。2100ptは中級者から上級者へステップアップする第2の壁と呼ばれているので、この分厚い壁を突破できずに停滞するプレイヤーが多数います。

 

⑤2100~2149帯(プラチナ)

2100ptという分厚い壁を突破したこともあり、かなりTEPPENに対する理解が高いランク帯です。環境理解、デッキ選択、プレイングの大筋などが粗削りではあるが形にはなっているプレイヤーが多い印象です。各デッキの強ムーブを知悉しており、そこに繋げる動きやカード回し等が板についています。しかし、アクティブレスポンス内の駆け引きの弱みや、各デッキに対する裏目のケアが足りておらず、勝ちきれないプレイヤーはここで停滞する傾向にあります。

 

⑥2150~2199帯(ダイヤ)

GODまであと一歩ということもあり、TEPPENに対する理解に加え、使用デッキの練度が90点に近いランク帯です。基礎的な動きはほとんど完璧であり、応用戦術に関してもマッチの中で臨機応変に織り交ぜられるレベルだといえるでしょう。ただ、各マッチアップの大局観などが欠けており、目先の最適解ばかりを追い続けることが正しいと思い込んでいるプレイヤーが停滞するランク帯です。また、対面相性に関する理解が乏しい印象があり、各マッチアップ毎の試合の流れ・勝路が曖昧な方は2200ptという第3の壁を超えることはできないでしょう。

 

⑦2200~2249帯(ゴッド)

ここまで上り詰めれば一人前のTEPPEN PLAYERという印象があり、TEPPENに関する基礎及び応用技術は95%ほど習得している方が多いかと思われます。敵の動きを予測し、公開情報から非公開情報を割り出すことのできるプレイヤーが多いです。また、強ムーブをしかるべきタイミングで押し付けることができ、たとえハンドが悪かったとしてもしっかりと勝機を見据え、巻き返すために耐えることのできるプレイヤーが多いです。常に勝ち筋を追っている胆力のある人しか到達できないランク帯といえるでしょう。

 

⑧2250~2299帯(ミシック)

表面的な実力はGOD帯とほとんど変わらないとは思います。2200pt未到達者が同月にこのランク帯に上がることは極めて稀なケースではあるので、少なくとも2回以上はGODを踏んだことのあるプレイヤーが到達するランク帯となっています。表面的な実力ではGODとさほど変わりませんが、GODよりも知識と経験が豊富であり、行動選択がより精密で動きに深みがあります。上手く言語化はできないのですが、この層のプレイヤーと対戦する際は特有の霊圧を感じます。

 

⑨2300帯(レジェンダリー)

表面的及び地力に関してはミシック帯のプレイヤーと遜色はありませんが、勝利した時の景色と負けた時の地獄を天秤にかけた際に、勝利のビジョンが勝るプレイヤーが到達できる領域だと認識しています。ザックリ言うと、鋼のメンタルを持った頭のねじが飛んでいる負けん気の強い人ってことです(いい意味でね)。正直なところ、運要素も多く絡んでいるとは思います。

 

しかし、それ以上に「挑戦できる意思があるかないか」が重要な資質であると考えます。また、このpt帯に挑戦できるデッキというのは限られるので、そのようなデッキが生まれた環境で、それを見極めて練度を磨く聡明さも必要になるでしょう。ちなみにアースさんは一番大事なのは一緒に駆け上がれる戦友がいるかどうかだと言っていました。この域に到達したRana・アース・Kuran・Hayakeo・ライア・もりー・まれい・あわ・さなの9名に盛大なリスペクト👍

 

2-2 最高pt ≠ 実力

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上の項で各pt帯の説明をさせていただきましたが、これらはあくまで目安であって真情報ではありません。TEPPENもカードゲームの一種なので運要素が絡みます。そういった背景がある中で、高pt=上手いと安易に結びつけるのは、それはノンノンクワガノンなんですよ。真に実力の指標となりえるのは最高値よりも平均値です。

 

ぶっちゃけ、各ランク帯の中でも大きなばらつきがあり、GOD帯はそれが顕著に表れています。自分の得意デッキが環境にハマって到達した人、プレイングが未熟なのにマッチング運に恵まれて到達した人、デッキとプレイングを環境に適応させて到達した人など様々います。そのため、これらのプレイヤーを一緒の括りにするのって、どうなの?と思うところもあります。だからこそ、実力の平均値に目を向けることが大事だと考えています。

 

各シーズンの最高到達ptの平均値を、上で紹介したランク帯に当てはめてみてください。異常な数値を叩き出した月を除外すると、プレイヤーの適正レート帯に近しいものが算出されます。その値を月ごとに更新していくと成長が数値として可視化されると思います。これがすべてというわけではないのですが、中級者から上級者の過渡期においては成長を実感できる基準にはなるのではないでしょうか。

 

2ー3 理想と現実のギャップ

このブログに書いてあることを実践したとしても、すぐには結果は出ないと思います。何故なら、努力と成果の関係性はy=xの比例グラフのような単純なものではないからです。

 出典 https://maru-pub.hatenablog.com/entry/2018/11/28/113046

上記のグラフのように、直線ではなく曲線として成果が現れやすいためです。

① 2100ptを目指すも結果が出ない(停滞)

→ 2000ptは到達圏内(地力)

② 2100ptに到達する(結果)

→ 2050pt帯が安定する(地力)

③ 2150ptを目指すも結果が出ない(停滞)

 2100ptは到達圏内(地力)

④ 2150ptに到達する(結果)

→ 2100pt帯が安定する(地力)

 

個人差はありますが、このように段階を踏みながら徐々に地力がつくことによって、次のステップへの挑戦権が与えられるイメージです。停滞期というのは上を目指せば目指すほど長くなるのでかなりつらいとは思いますが、その分着実に地力はついています。しかしそれらはなかなか認識することはできませんので、成長を実感する前に自信を無くしてしまうのでしょう。目標を超えられなかったとしても、挑戦権を得ている時点でゴールは近いということは覚えていてくださいね。

 

3 アクションを理解する

さて、2章では目標到達におけるマインドセットを行いましたがそれだけでは実力は身に付きません。なかなか上達しないのは努力の方向性が間違っている場合が往々にしてあるので、自分の現在地を把握したうえで正しい方向に向かう必要があります。この章ではどのランク帯でも必要になる、特にGOD帯を目指すうえで必要となる要素について説明させていただきます。

 

3ー1 アクションの価値計算

ViruSの主観ですが、上級者とそれ以下では明らかにアクションの使い方で差が出ています。裏目のケアとしてもそうなのですが、ゲーム展開にも大きく関係しているところなので詳しく説明します。

 

アクションの使い方を上達させるうえでまず考えないといけないのは、自分が使ったMPとそれによって得られる対価が釣り合っているかどうかです。要はアドバンテージを稼げているのかどうかということです。一般的なカードゲームでは相手が保有しているマナだけを考えればいいのですが、TEPPENはアクティブレスポンスの仕様上、青2MPのことを考慮しないといけません。

 

自発的にアクションを使用する場合、相手は無料で2MPを使用することができるということなので、レスポンス後の展開を考えながら使用する必要があります。例えば、《バル》を発動した後、《見失った獲物》をレスポンスされた場合は盤面の干渉力が低下しまいます。加えて、その際に自身がレスポンスを想定していない場合、無料で使用できるはずだった青2MPを使えずじまいということになります。

 

自身の行動だけを見ると、2MPで盤面に4点分干渉したので弱くはないですよね。ただ、本当に着目すべきは自身が支払ったMPの対価から敵の支払ったMPの対価を引いた値です。

 

「自身が得た対価」「敵が得た対価」バリュー

 

これを上の展開に当てはめてみると、敵は実質0MPで盤面展開とダメージ分散をできたことになり、自身はただ2MPを支払って4点与えただけとなります。このバリューの値が+ならアドバンテージ、-ならディスアドバンテージということになるのですが、今回の場合は完全に損をしていますよね。

 

このことを考えられていないと、アクティブレスポンスのたびに少しずつ差が開いていきます。その為、アクションを使用する際は常にこのバリューを考えて相手と駆け引きを行わないといけません。だから、返しのアクションを用意してその先の展開を考える必要があるんです。これがよく言われるケアの本質で、各マッチアップでは踏んだら負けレベルの落とし穴があります。下手な人はここに気づかないで負けることになるので、アクションを使用する際は吟味しないといけません。

 

3ー2 返さないという選択肢

上の項の話だけだと、返しのアクションを用意するだけでいい、レスポンスの青MPは無料だから使い得という誤解を招いてしまいそうなので、この項ではさらに深い駆け引きの話をします。

How Much Do You Weigh? - Core Consulting

上手い人ほどこのバリューを計る正しい天秤を持っているので、「あえて返さない」という選択肢を状況に応じて使用しています。理解がある人同士の対戦だと、アクションの使い方というものが、先ほど述べたように青MP込みで考えてくるので、返さないという選択が有効手になるケースが往々にしてあります。

 

例えば黒単対面だと青MPを加味した2面処理に持ち込んできたりしますし、紫単対面だとハンド回しやデバフを効率的に行ってきます。そこから相手のやりたい動きと、大体のハンドというものを予測して返す返さないの選択をする必要があります。

 

具体例を挙げると、赤単真空vs黒単形態変化などでしょう。基本的に形態変化が《光の大陸》を自発的に打ってくる場合は2枚目を疑った方がいいです。アーツ発動の際にハンドにアクションがあるということを嫌うデッキであるため、《光の大陸》を切ってからアーツに繋げたいという敵の心理を逆手にとります。

 

仮にここで《バル》などを返してしまうと、さらに横展開されるだけでなくその後なアーツも高バリューで使用されてしまうので、勇気のスルー」が有効手になります。結局、形態変化側としては大陸を吐いてからアーツに繋げたいという思考は変わらないので、レスポンス終了後にまた自発的にもう一枚を打ってきます。返すならこのタイミングですね。

 

相手は4MPで3コストを2体蘇生しているのでインチキムーブなのは変わりないのですが、これを2MPお得に使わせているか否かでは全然違いますよね。それ以外にも、自分が攻めているときに不用意にアクションを返してしまうと、相手に楽をさせていることになるので基本的には控えた方がよいでしょう。

 

3ー3 試合全体の価値を考える

《クールダウン》のような効果として後半に強化されていくアクションの話ではなく、試合全体の価値変動を考えてアクションを切るという話になります。効果自体は変わらないのですが、実はアクションの中には対面ごとに賞味期限が設定されているものもあります。

 

例えば、赤単真空vs黒単瞬獄殺の場合、時間経過とともに赤単側のアクションの価値は下落する傾向にあります。何故なら、後半になればなるほど相手のレスポンスが強力になっていくためです。《クールダウン》は破壊対象の範囲がどんどん上がっていきますし、墓地も肥えていくので《見失った獲物》が打てるようになります。また《発症ペドロ》のスタッツも上昇していくので、打点を飛ばすという行為の価値が下がっていきます。

 

黒単瞬獄殺は前半の準備期間を耐え抜くと最強レベルのカードバリューを持つようになるので、前半の目覚めの種を潰すことやAPを貯めつつハンド回しのためにアクションを切るべきです。またその際のレスポンスリスクも極端に低いため、多少MP的に損をしたとしても試合全体を通して考えると得をします。これをしないと、攻めるべきタイミングで手札がアクションだらけになる可能性が高くなり勝率が下がります。

 

このように、バリューというものは可視化されるものばかりではなく、ハンド回しやAPを貯めるために、効果が発動しないタイミングでさえも損切りを行う必要があるのです。TEPPENが上手くなる=アクションが上手くなるといっても過言ではないほどに大事な項目になるので、ぜひ意識を通わせてみてください。アクションの使い方がカギを握るTEPPENは、2つの意味でアクションゲームといえるかもしれませんね。

 

4 プレイングを磨く

3章ではTEPPENを上達するうえで非常に大事なアクション理解について触れました。では次はアクション以外でのプレイング面について説明していきます。

 

4ー1 マッチアップ毎のプランを組む

先ほども少し触れましたが、使用デッキと環境の理解が高い人ほど対面ごとに細かく勝路を組んでいます。強いカードを並べるだけで勝てたらそれでいいんですけど、そうもいかないのがランクマッチの深いところですよね。

 

これを正確に行うためにはまず対面相性を知る必要があります。ここがまずブレている人が多いので、適切なプランというのが組めていません。緑は赤に有利、赤は紫に有利などのオールドスクールなTEPPENはもう終わりつつあるので、色ごとではなくデッキごとに相性理解をアップデートする必要があります。

 

例えば赤単真空vs黒単形態変化は賛否両論あるとは思いますが、僕は個人的に3:7で形態変化が有利だと考えています。両方のデッキを使用して感じたのは、序盤の攻防でほとんど勝敗が決するということです。たとえ打点を飛ばして捌いたとしても、信仰が乗った強力なユニットが出てきますし、盤面で押していたとしてもアーツで巻き返されるパターンが多いからです。

 

その為、他の対面だとそんなことはあまりないのですが、変化対面では盤面状況よりライフ状況を重視して序盤に大幅なリードを稼ぐ必要があります。このように、各対面との相性から勝ちパターン・負けパターンを割り出して、そこを基準とした最適なプランを組むことが大事です。この手順を通すことによってデッキ改良の案が見えたり、割り切るプレイができるようになります。

 

4ー2 「見聞色の覇気」を習得する

ワンピース】見聞色の覇気とは?見聞色の覇気が使えるキャラクターを大紹介!!

ワンピースでも重要な能力である覇気なんですが、カードゲームにおける必修科目でもあるんです。ここで話す見聞色の覇気とは、要するに相手の行動を経験から予測する能力のことを指します。相手が何を考えているのか、現在のハンド状況はどうなのか、自身がケアするべきカードは握っているのかを、公開情報という証拠をもとに予測することが大事です。例として《予期せぬ妨害》などが挙げられます。

 

紫を握る際の基本として、《支配された頭脳》は8MPで打つというものがあります。これは相手の自壊や妨害札を《予期せぬ妨害》で防げるようにするためのものです。この動きをされたときに「相手が予期せぬ妨害を持っているかもしれない」という思考を巡らせることが僕の言う見聞色の覇気です。

 

画像をダウンロード エネル マントラ

有名どころを挙げると、こういったピンポイントなものになるんですが、こういうヒントになる公開情報って無数にあるんですよね。TEPPENは他のDCGと違って墓地の情報を確認できなかったり、そもそもリアルタイムで物事が進んでいくので、かなり難易度は高いですが、身に着け得でしかないのでクセを付けるようにしてください。

 

とはいえ、ただの予測でしかないことには変わりませんので、公開情報をより多く集めて確信度を上げる必要があります。最初は難しいとは思いますが、今は予期せぬ妨害だったとしても、経験を積めば「割と予期できる妨害」くらいにはなると思います。

 

上で述べた勝敗パターンを逆算して相手の狙いを予測したり様々なことに応用できます。また、何も対処する札がないのにあえてレスポンス時間ぎりぎりまで考えて、持っているフリをすることで、相手の行動に制限をかけるなどの応用も大事になります。

 

4ー3 勝ち筋を追い続ける

保留という名の逃げ|aunpick (鈴木賢)|note

この項目、GODを目指すうえで最重要項目といっても過言ではありません。これまでGODに到達した人を考えると、あきらめないで何度も挑戦している人が多いんですよね。それが実際プレイングにも影響しています。

 

上手い人は常にどうすれば勝てるのかという勝ち筋を追っています。それはマッチの最中に割り出したものもそうですし、上記したような対面ごとの勝ちプランもそうです。それは時に相手のプレミ依存やハンド依存、運ゲーだってあります。客観的に見れば、偶発的に見えることですが、それを予期して実行することって上手い人しかやってないんですよね。

 

ブルーロック11巻 「運のカラクリ」より抜粋

自分で自分の首を絞めて運の波にもまれに行く運ゲーとは違って、勝つためにやらなきゃいけない運ゲーってのは絶対にあるんですよ。例えば不利対面での瞬獄殺の二面抜きだったりです。分かってない人は2分の1を極力避けて、確定で処理することだけを美徳としていますが、実際そんなことありません。ていうかケアだけしてたら何の行動も移せません。やる価値のある運ゲーは積極的にするべきです。勝つためにね。

 

5 デッキ選択

すごく現実的な話にはなるんですが、各デッキには大体の限界値があります。2300帯の話の際にも述べましたが、その領域に行くためには強いデッキを握る必要があります。2200帯のGODだってそうです。ぶんどりがたなGODとか到底無理じゃないですか、そういうことです。

 

PS × デッキ = 到達PT

 

という風にあああああプロは言っていましたし、僕もこれに共感します。結局ptを盛りたいなら、個性とか好みとか面白さとか、そういうものは排除したほうがいいです。ただ、僕はどちらかというとマイナー勢なので、抵抗があるのはわかりますけどね。

 

このことについてわれらが梅原大吾氏がわかりやすく語っていた動画を見つけたので、そちらを視聴することをお勧めします。

youtu.be

 

TEPPENはリアルタイムカードゲームなので、ターン制に比べて相性差は覆しやすいということは補足しておきます。「勝てるデッキ」と「上達するデッキ」は少し違うのですが、本筋から外れるのでまた今度話せたらなと思います。短期で結果を残すなら圧倒的にTier1を推奨します。

 

6 おわりに

はー、長かった。読み手もおそらくそう感じていると思うんですが、書く方めちゃめちゃきち~。とはいえ、とりあえず書き切れて一安心です。普段無意識的にやっていることを言語化することの難しさを実感しました。

 

この記事で書いたことを実践したとしても、2200ptを超えられるという保証はできません。GOD到達とは、それほどまでに長くつらい道のりだからです。ただ、間違いなく2100ptは越えられると断言しますので、ぜひ実践してみてください。

 

運だけでGODになるのではなく、なるべくしてGODになりましょう。挑戦し続ける人を応援します。最近僕自身もTEPPENに熱量をもって取り組めていませんが、またやる気のある時にでも2300目指します。それではまた👋ViruSでした。

 

PS.今年の冬はオフ会に参加してみようと思うので、機会があれば誘ってください。オフでこういう話をたくさんしましょう。

 

 

人は考える波動拳である。

 

出典:アオアシ

はじめに

こんにちは、ViruSです。私事でございますが、今月でリュウの試合数が10000試合を超えました。さて今回はそれを記念して真空波動拳とはどのようなデッキであり、またどのような構築が最適で、どのようにデッキを組むのかについて書いていきます。

スピリット真空波動拳とは

超簡潔に説明すると、「ハンドにあるスピリットの攻撃力を下げるユニット」と「攻撃力が下がると強くなるスピリット」のシナジーを活かしたデッキです。そこに新要素である〝生贄〟が自然に組み合わせられています。

具体的には雪姫のプレイ時効果によってガートルードの攻撃力を下げて4点飛ばし、攻撃力が0になったガートルードはプレイ時に5点を飛ばすというシナジーです。人間は攻撃力を下げることで、スピリットは攻撃力を下げられることで真価を発揮するので共依存関係になっています。それ故にスピリットと人間の枚数調整が難しく、プレイングよりも構築のほうが難しいデッキだと個人的には思います。

 

構築について

この手の構築記事って、まずリストを載せてから、〇〇何枚採用です!理由は…というのがテンプレートな気がするんですが今回はそれをやりません。理由は主に2つあります。1つ目は僕自身が納得のいく30枚を絞り切れなかったこと、2つ目は今回の真空波動拳が多様性のあるデッキであることです。様々な型を試しては壊し、試しては壊しを繰り返して到達した答えがA.解なしでした。

 

〇〇に勝ちたいから△△を採用するという分岐が多すぎるんですよ。そもそもデッキ構築というものに正解なんてものはないんですが、これがしたいならこれは不適切なのではないかという間違いはあるんですよね。さらにいえば、まだまだ環境初期の段階で30枚固定のデッキなんて作れるわけありませんから、本ブログを通して「あんさんの波動拳を作ってほしいんです。

 

舞子Haaaan!!!より、あんさんのラーメン

このままだとじゃあテメェのブログ意味ねえじゃねえか。顔キモっ。と、りりさんあたりに言われそうなので、僕が今期色々試して得た情報を共有します。

 

確定枠

デッキを作る際はまず確定枠を決めて、土台・柱を形成しましょう。そこから自分のやりたいことや勝ちたい対面、環境のメタに合わせて肉付け作業していきます。

 

上の確定枠リストはたとえソウルがカツカツであったとしてもまず作るべき15枚なので、これらを先に揃えてしまいましょう。確定枠カードの強みを懇切丁寧に説明してもいいんですけど、ぶっちゃけみんな分かるでしょ。だから書きません。分かってくれ。

 

一気に盤面を制圧する攻撃的な波動拳にするもよし、耐えて耐えて耐えて勝つ守備的な波動拳にするもよしです。確定枠にあなたのやりたいことを詰め込んだ15枚を加えてデッキを完成させてください。

 

各カードレビュー

さて、ここからが大本命です。確定枠以外の15枚をピックする基準として採用されそうな各カードの強みや弱みを、コスト順かつユニット→アクションの流れでレビューしていきます。

ViruSポイント7点

個人的に評価が難しいカード。交戦回数が減る=場持ちが良くなってサガットに繋げやすいという考え方もできますし、敵ユニット処理にかかる時間が増えるという考え方もできます。採用する際の基準は攻撃と守備のどちらに重きを置くのかです。僕の考えでは、CIPでヒノエをパンプしやすいことや、サガットの種になれることからこいつは攻撃寄りのカードです。滅昇竜相手だとデメリット効果が痛く感じるケースがあるため、守備要員ではないのかなと。

ViruSポイント2点

強いかどうかは別として、他のスピリットと異なりデバフの対象にならなくともTIPを持っています。生贄としての効果は攻撃的ですが、果たしてこれは真空にマッチしているのかと問われると微妙です。ケツが3と小さいので1度受けてから目覚めるということも難しいです。空戦が1度だけではなく永続的に付与されるのであれば希望はありました。ん-まぁ、滅寄りのカードなんじゃない?

ViruSポイント7点

一応7点には設定しており、デッキを組む際に1枚は確定で入るのですが…僕はあまりこのカードが好きではないです。なんでかというと、こいつ自身が強くて入れたいカードではなく、他が微妙だから妥協してピックするおこぼれ枠だからです。ただ、時たま、地味にいい仕事をしたりすることも無きにしも非ずんばなカードなので評価が難しいですね。困ったら空いたスピリット枠にぶち込みましょう。

ViruSポイント3点

味方人間ユニットのデバフ誘発効果を2回は吸ってくれるため、スピリットが不足するという事故の軽減になるでしょう。手札が偏っている際も、(他と比較し)スタッツが優秀であるため素出しで仕事ができます。ただ、デバフの旨みがなく、こいつがデバフの対象になると動きとして弱いというケースが多々ありました。生贄としての効果自体は悪くないですが、使い方が難しいです。

ViruSポイント-100点

真空波動拳には天地がひっくり返ったとしても入ることはないカードです。効果発動条件を満たせれば悪くないですが、それを実現しようとなるとバフカードが一定数必要になります。しかし、それらも真空波動拳とは相性が良くないので、なんというか…救いようがないとでも言いましょうか。今回はご縁がなかったということで、引き続き就職活動頑張ってください。

ViruSポイント10点

僕的には確定枠の良カード。使い方次第で受け札にも攻め札にもなります。4コストで8打点以上の期待値があるというのはマナレシオ的に強いです。弱みを挙げるとすれば、ケツが小さいことが挙げられます。リッカーβについでに殺されますし、空盤面からギリ出しゾンビ受けなんかに弱いです。ただ現環境は頭が2以下のユニットが多いので、そこまで気になりませんし、デメリットを上回る強さがあります。

ViruSポイント5点

決まれば強いカードランキング堂々の1位はジンオウガ君です👏黒単相手の初動としては一定の強さがあるため、黒単対面に勝ちたい人は入れていいのかなと思います。ただ即出ししたとしても正面リッカーイビル等で簡単に処理されてしまうので、めちゃくちゃ強いカードというわけでもないです。弱みとしてはアグロには出している暇がないこと、封印の格好の的、赤単ミラーに弱いことが挙げられます。

ViruSポイント6~8点

守備で優れているユニットです。雪姫やヒノエの発動コストがデバフ2に対してミノトは1であるため、ハンドのスピリットが潤沢でなかったとしても複数回効果発動が見込めますし、1だけ下げて残った1をほかの人間ユニットに回すこともできます。しかし、これすなわちガートルードなどの「デバフ2をされることで強くなるユニット」を下げきれず、中途半端なただただ弱いスピリットを量産してしまう可能性があるので、構築と扱いが難しいカードといえるでしょう。

ViruSポイント6~7点

シールド搭載+正面4点なので受けユニットとして優秀です。こいつは出した後にシステムユニットとして働くため、上手く使えるとかなりのアドを稼いでくれます。真空ミラーでは採用型のほうに有利がつくと考えているので、ミラーに寄せたい方は採用をお勧めします。その一方で、瞬獄殺対面のような攻めたいマッチアップではあまり強くないどころか2面取りの起点にされる可能性が高いです。スタッツが上がれば強いんですが、言うて運ゲーです。

ViruSポイント9~10点

佐馬介以外の唯一の目覚め枠です。赤単真空というデッキの特性上目覚めとの親和性が高いこのユニットは攻撃的な型にする場合1~2枚は採用することをお勧めします。生贄との相性もいいですし、あと一歩が詰め切れないという従来の真空波動拳の課題を解決してくれるカードです。目覚めない場合は大幅にスタッツが落ちることが懸念点ですが、それを踏まえてもメリットがあると思います。疑似的なマグマード・ドラグーンだと考えてください。

ViruSポイント3~5点

なしではないが、優先して採用するカードではないことは間違いありません。他カードのCIPで処理しきれなかったユニットにぶつけて探索するとその後の処理が楽になりますし、サブ効果であるパンプとアーツチャージ2もいい味出しています。横にニーナがいた場合はめちゃくちゃ強いんですが、言っても限定的なので、単純に生贄臨戦枠としてたまーに刺さる程度でした。めちゃくちゃ弱いわけではなかったです。

ViruSポイント4~6点

こいつもクレアと同様になしではないカードです。瞬間的な受け性能はスパイダーと近しいですし、正面に限定されていないので黒単相手での決め置きにも使うことができます。また、臨戦持ちであるため生贄との相性が良いです。ただ、コアで実装された古のカードのパワーが現代に追い付いているかというと微妙なのかなと。いい意味でも悪い意味でも、ブレがなく平均値。そんなカードです。

ViruSポイント4点

CIPも、スタッツも、パンプ性能も悪くありません。ただ、ヒノエとヴォルケンの両刀型にする場合だとデッキの軸がゆがみます。CIPでユニットを焼くことを重視した形になるため、自然と臨戦の採用が減りスピリットも抜けていくかと思います。例えば、7レオンと組み合わせて6コス以上をバフするカードなんていれたらそこそこ強いです。スピリット軸に入れるなら入って一枚だと思います。

ViruSポイント4点

強いことは間違いないんですが、今の真空波動拳はハンド回しが重要なので、序盤にこいつを引き込むと中盤以降まで選択肢を狭めてしまいます。加えて、アクションの採用枚数が減りつつある今の波動拳との親和性も微妙なのかなと…。ニーナで探索するものを含めてアクション枚数が10枚を超えるなら採用してもいいかなと思います。しかし、それすなわち後ろ寄りのデッキになるということは理解しておいてください。

ViruS忖度ポイント100万点

漢らしすぎるんだよな、見た目も効果もサイズも。反撃しないといいつつもダメージ食らうとマジ顔で波動拳飛ばすところも含めて好き。ちなみに最近僕のリストからは解雇したんですけどね。強いっちゃあ強いんですが、ハンドを圧迫します。しっかりと効果を把握して適切なタイミングで出せればゲームを終わらせることができますが、ハンドでお留守番してることのほうが多かったです。

ViruSポイント3点

支配された頭脳で奪われるのを防いだり、どうせ死ぬユニットをダメージソースに変換できたりする良カードです。自発的に打つとあまり強くはないため、時が来るまでハンドでお留守番しているケースが多いです。再三言ってますが、今期の波動拳はハンド回しが肝になるので受動的なカードはあまり採用したくありません。カードの効果自体は強いですが、平均値をとるなら採用は控えるべき。入れて一枚です。

ViruSポイント7点

とりあえず採用するカードです。フリースペルでハンドを回せること以外にこれといった強みは感じません。他のアクションがあまりに弱く、競合他社がいないから幅をきかせているだけであって、バル自体が強いと思ったことは一度もありません。本心としては抜きたいんですけど、まったく入れないとなるとレスポンス弱者になるというジレンマを抱えています。思考停止の惰性バルはやめましょうね。

ViruSポイント8点

今の真空波動拳でアクションを打つ場合、ハンドを回すために捨て打ちするか、面が埋まってしまっていてやることがないから打つか、押されている状況で苦肉の策として打つかの3ケースに大きく分類されるんですが、こいつは2番目の時に真価を発揮するカードです。要は面展開して押し込んでいるときのレスポンス合戦で最大バリューを活かせます。その他の状況でも弱くはないのでとりあえず入れてオッケーです。ただ、こいつの有無で勝敗が決まるケースは極めて少ないので、資産の少ない初心者の方は急いで作る必要はないです。

ViruSポイント2点

環境初期に試してすぐに抜いたカード。確かにヒノエに使用すると1バフとパンプで決定打になりうる強さがあるのですが、汎用性があまりありません。正面限定ではなく、発頸のような使い方ができるのであれば迷わず採用していたのかなと思います。弱いカードではありませんし、黒単相手の決め打ちとしてはそこそこ機能すると思います。攻め重視のカードなので、どちらかというと滅に適していると思います。

POYONポイント100点

最近SWAGに居候しているぽよんさんが異常に好きなカードです。バルは4点しか与えられないけど、パダムは6点与えられるし絶対防御の対策になるということを豪語してきます。パダムのことを馬鹿にするたび、無限列車編のアカザばりにマンキンで「お前もパダム教に入らないか?」と宗教勧誘してきます。僕が採用する日は来ないと思いますが、好きな方は入れてあげてください。

ViruSポイント1点

ちょこちょこ採用している方を見かけるカードですが、この際ハッキリ言います。弱いからとっとと抜け。このカードはレスポンス中に使用したMPもAP変換してカウントするので、実質AP13の状態から追加2点が見込めるんですが、だからなんやねんという感じです。このカードが光るのって、2+2の両方に電刃や3レオンの効果が乗ることなので今の真空には入りません。素直にバル入れておきましょう。シールド1枚貫通できますよって?だからなんやねん。疑心返してくれ。

ViruSポイント1点

敵の死亡時効果を消すことができるので信仰やリベンジなんかの対策になるのですが、それしたところで何かいいことあるんですか?例えば瞬獄殺相手だとペドロに的を絞って使用したとしても、見失った獲物を打たれて消せないなんてことが多々あると思います。というか黒を見るのであれば序盤で押し切ったほうが何倍もいいので、変にコントロールの思考を混ぜないほうがいいです。リアニ対策としては考えられなくもないです。

ViruSポイント9点

現在のメタだと確定枠ですが、今後どうなるかはわからないので一応確定枠から外しておいたカードです。赤ミラーが増えるのであれば確実に入ります。不協和音と同様にカウンターカードなので、結構ハンドで詰まることがネックです。赤だけに強いというわけでもなく、緑対面でも役に立ちますしかなり万能カードです。赤ミラーだとこいつ採用の有無が勝敗に大きく絡むことになるので、確定枠作成の後にすぐ作りましょう。黒対面は使い方が難しいですが、慣れれば抜けなくなります。

ViruSポイント4~7点

バルの強化呪文。バルが1MPあたり2点飛ばしていると考えるとバルハラーは1点お得になっています。巻き返すというよりはゴブをちょっとだけ有利にしたり、盤面有利を突き通すイメージがあります。ミラーでもジンオウガやヒノエといった脅威ユニットを1MPお得に処理できるので弱くはないです。ただ今の滅はモイラなどでシールドを探索するのでプレイ時で処理したほうが安全だったりします。紫対面でもたまに4打消しが入っているので採用が難しいカード。環境の推移をみてピックするという位置にあると思うので優先カードではないです。

ViruSポイント1点

盤面環境でならそこそこ使えたという印象。単体に打つと合計11点、2面展開なら13点、3面展開なら15点。ダメージで見ればあまり強くありませんが、ダメージ処理が波状的に行われるのでシールドを貫通するという利点があります。ただ、そこを考えたとしてもあまり強くはないですし、そもそも今の環境って3面というよりは強い1面とそのおまけが並ぶことの多い環境なのであってません。連携緑に対してはたまに刺さりましたが、その程度でした。

 

構築の基本ルール

さて、ここまで各カードの特徴と方向性について話しましたが、ここから自分のやりたいことをやりたいプランに沿って詰め合わせていく作業です。あとは勝手にどうぞ!ってのも酷な話なので、この項ではある程度の指針について話します。

 

①ゴールを設定する

デッキ構築をする際は基本的にここから始めてください。今回だと、どのような形で勝利までもっていくのかということです。盤面を制圧しつつ早い時間で勝負を決めたいのであれば、攻撃的なカードを詰め込んでアクションを切り詰める必要があります。一方で、盤面をさばいてジワジワと有利状況を作ってから勝ちたいのであれば、守備的なカードを詰め込めばいいです。またその両方のいいところをかいつまんだ中立的なデッキでもいいでしょう。自分のやりたいプランをまず決定してから、そこに沿ったカードを詰め込んでいきます。簡単でしょ?

 

②安定性を追求する

このステップがめちゃくちゃ大事です。特に今期の真空波動拳はスピリットと人間が共依存関係にありますから、双方のバランスが非常に重要になっています。このデッキにおけるスピリットはいわばCPUで人間は出力デバイスです。相対的に見てスピリット>人間という関係性なので、人間ユニットよりもスピリットの数が多くなるように構築してください。僕的には、攻撃に寄せるなら7~8枚、ミノト入りの守備的なデッキなら8~9枚のスピリットを入れることが事故を起こしにくい最低ラインだと考えています。スパイダーなどのスピリットに依存しないカードを入れる場合は別ですよ。

 

③微調整をして流動的に

攻撃に寄せると黒単に勝ちやすく、守備に寄せるとミラーに勝ちやすいなど、型によって得意不得意が出やすいのが今期の波動拳の面白いところです。はじめは自分の得手不得手を基準としてデッキを傾けてもいいのですが、慣れてきたら環境に合わせてデッキを変化させていきましょう。今後環境はどうなるかわかりませんが、環境を読めずにデッキを固定化している人は淘汰されてしまいます。そうならないためにも、きちんと理由をもってカードを採用していきましょう。

 

④トライアルエラーの繰り返し

あとは自力で試して壊して、試して壊しての繰り返しです。問題は構築にあるのか、それとも自身のプレイングにあるのかを見極めながら納得のいく30枚に近づけていきましょう。候補を複数個つくるのもありですよ。実際に僕は今期3つの型の真空波動拳を使い分けながら遊んでいます。

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出典:左ききのエレン

おわりに

自分でデッキを組む人が増えたら嬉しいなと思って今回の記事を執筆しました。やっぱり環境は生き物であり、デッキは生ものなのでなかなか難しいとは思います。しかし、他人の趣味嗜好が乗っかているリストを使ったとしても上手くはなれないと思いますし、ネットに転がってる情報なんて僕のブログ含めて嘘ばっかなんですよ。正確には「ついさっきまでは本当だった嘘情報」というほうが適切かな。本当はプレイングやミラーの話なんかを細かくしたかったんですけど、長くなりすぎるとグダるので今回はこの辺で止めておきます。構築やプレイングで分からないことがあればTwitterのDMで聞いてください。それではまた👋ViruSでした。

 

TEPPEN勢にMTGを勧めたい。

1 はじめに


こんにちは、ViruSです。私事なのですが、最近PCでMTGアリーナを始めまして…めちゃくちゃハマっております。元祖カードゲームということもあり、追及してもしきれない奥深さがあると感じました。今回はそんなMTGの魅力を新参者の目線で共有したいと思いましたので、GWの休日を利用して執筆していきます。伝わりやすいようにTEPPENと比較しますが、ネガキャン目的ではありませんのでご了承ください。

2 MTGとTEPPENの相違点

まず初めに、MTGが具体的にどういったゲームなのかを説明させていただきます。ザックリ言うと、知識と経験がものをいう極めて実力差がつきやすいゲームです。あれ?なんかどこかで聞いたことあるぞと…TEPPENもそうなんじゃないかと…思った方もいるかもしれません。ただMTGとTEPPENでは実力を測る物差しに大きな違いがあります。

 

TEPPENはDCGの中でも極めて異質で、どちらかといえばカードゲームよりもRTSタワーディフェンスゲームに似ておりトレードが重視されます。加えて、TEPPENは格ゲー要素もありますので、アクション性(入力の速さ)が重要な要素となっています。

 

また、カードプールが狭いことや界隈がガチガチの村社会なため情報の回りが恐ろしく早く、似たようなデッキが多く蔓延します。その結果、環境が早期に固定され、プレイヤーと対戦しているというよりはデッキと対峙しているという感覚に陥りやすいです。TEPPENにおける実力の物差しは、ユニットトレード等の培われた経験+思考や行動の瞬発力であり、構築力は二の次です。

 

MTGはどうなのかというと…ゴリゴリの構築ゲーで、前述した知識と経験が色濃く反映される硬派なゲームです。TEPPENのローテーション環境が1シリーズ80枚×8セットの640枚から構成されているのに比較し、MTGでは1シリーズ約280×8セットの2240枚でスタンダード環境が構成されています。この約3.5倍のカードプールが構築力の差を明確にしており、ガチデッキからロマンデッキまで様々なデッキタイプが存在します。

 

TEPPENでは混色デッキを組むと5コスト以下までしか入れられないという制限がかかりますが、MTGにはそれがないというのも多様性の要因になっています。また、TEPPENではそれぞれの色・アーツは大体こういう形に収まるというテンプレートがある程度確立されていますが、MTGでは同色でも多種多様なゲームプランがあり、作る人によって構築が大きく変化する傾向にあると思います。TEPPENでは1~2枚差し替えた程度で○○式!なんて名乗る人がいますがハッキリ言って異常です。

 

ユニットを置くと一定時間で同レーンの戦闘が始まるTEPPENとは違い、MTGでは 殴る・殴らない 守る・守らない の選択が可能です。また、[インスタント]という効果持ちの呪文は相手ターンでも発動することができるので、自ターンでコストを使い切らずに残しておいて敵の動きを制限するといった動きができます。その他にもマナの置き方や処理順など多くのプレイング分岐点があり、そこが奥深さに繋がっています。

 

TEPPENでは思い出のシェア等のAOE除去を打つためにコスト温存したり、俺から離れるなをケアするために除去を2枚構えたりすることがレスポンスの上手さなわけですが、MTGではそういった駆け引きが毎ターン行われるんです。TEPPENでは相手がアクションを打つと無料で青MPがもらえるため、2コストアクションなんて準備もくそもないわけですよ。そこよりも返しのアクションがあるかどうかという使いどころのほうが大事なわけです。しかしMTGでは青MPはもらえないので、アクションを使う状況を想定してコストを残しておく必要があるんです。

 

このようにMTGでは知識と経験に基づく構築力と展望性という2つの要素が大きな実力の物差しになるのではないかなと思っております。まだ始めてから日が浅いので間違っているかもしれません^^;

 

3 ゲームモードとプレイヤー層

MTGは日本人の人口はそうでもないみたいなのですが、世界的に見ればものすごい数のプレイヤーが遊んでいるゲームなので、抱えている層が豊富です。そしてその大勢で多種多様な層を引き付けているのは多彩なゲームモードなのではないかなと思います。

 

上の画像の他にもあるのですが2つにザックリ分けて説明すると…

1. 構築

TEPPENのランクマッチ同様に、事前に組んだデッキを用いて対戦するモードです。最新8セットを用いて戦うスタンダードが一般的で、スタン落ちしたカードでも自由に使用できるアンリミテッド的なものもあります。

 

2. リミテッド

既に構築したデッキで対戦するスタンダードとは異なり、特定のパックを開封しその場で構築したデッキを用いて対戦するモードです。(基本土地は自由)

 

構築の○○、リミテッドの○○というようにおおよそこの2種類に分類されます。特に独創的なのがドラフトとシールドです。

開封したパックの中から8名で順番にカードを選んでいき、構築したデッキ+基本土地で対戦するモードです。

開封したパックの中から自分だけで好きなカードをピックし、構築したデッキ+基本土地を用いて対戦するモードです。

 

僕は別のモードに没頭していたこともあり、まだプレイしたことはありませんが、簡易版のクイックドラフトは5回程プレイしました。感想としては…

めちゃくちゃ楽しい!!!

実際の対戦ももちろん楽しいのですが、何よりもカードをピックしている瞬間が楽しさの度を越えています。このカードとこのカードはシナジーがあるな~とか、構築ではあまり見かけないけどリミテッドでは光る可能性があるな~とか、今このターンで選ばないと次に回ってこない可能性があるから先にピックしておこうとか、いろいろ思考しながら一期一会のデッキに出会う感覚が唯一無二なんですよね。

 

クイックドラフトはNPC相手にピックをして実際の対戦はプレイヤーと行うモードなのですが、通常のドラフトでは対人でピックを行うんですよ。まだこの面白さの先があるのかと思うとワクワクが止まりません。

 

ランクマッチでもBO1とBO3のどちらかを選択することができ、サイドデッキの登録も事前に行うことができるので、対戦相手のデッキに合わせて対策を講じることができるんです。僕はまだサイドを固めるほどの資産がないので登録してないんですけど、こういった部分でも思考の差が出ると思っています。

 

このようにMTGではゲームモードが数多く存在するので、各プレイヤーのニーズを満たすことが実現できているのだと思います。ランクマッチをガチで周回するもよし、リミテッドでピックを楽しむのもよし。MTGにはエンジョイ思考やロマン思考の人にも救いが多く存在するのではないかなと思いました。体力20なのに、2000点の重貫通とか飛んできますからね(笑)

4 その他の魅力

ここまでゲーム性の違いについて書いてきましたが、ここからはシンプルに僕が引き込まれた要素を列挙していきます。

 

まず挙げられるのが自由度の高さと爽快感です。上記の内容と被りますが、カードプールの豊富さ=できることの多さなんです。そこに加えてMTGは、僕が今までプレイしてきたどのカードゲームよりも汎用性の高い強カードがたくさんあり、シナジーやコンボの数が尋常じゃないんですよね。

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これらは僕がランクマッチで対峙しててすごく嫌だった3枚です。まぁ黄金架のドラゴンに関してはそこに行きつくまでの過程がウザかったところはあるんですが…。これら以外にもたくさんあり、それぞれがいろんなデッキに出張して悪さをしています。

 

カードパワーが高い=誰が使用しても同じだからつまらない 

というのはよく見かける意見なのですが、MTGは除去がかなり優秀なので盤面自体は返せることが多いんですよね。伝説の~がつく同カードはフィールド上に一枚までしか存在できなかったりと案外バランスが取れていると感じます。

 

 

無限リベンジマン

 

コストずる野郎

TEPPENだとこのあたりのカードが色々なデッキに組み込まれていた時期が好きだったんですよ。しかも理不尽な押し付けではなく真っ当なデッキばかりでカードの使い方の差が顕著に出ていました。

 

僕が求めているのは「あれも強いな~、これも強いな~、何を抜こうかな~。」と考える時間であって、弱いカードたち眺めながらを「あれを入れるくらいならこっちで妥協するか…」と選別する作業ではない。MTGは間違いなく前者のゲームで、そこが好みに合ってます。HBM並みのカードパワーがある8セットと考えてもらえれば想像しやすいと思います。

 

次に挙げあれるのがカードイラスト、演出、ボイスがかっこいいという点です。

ファンタジー(若干ダーク)な世界観のカードが多く刷られており、かなり僕好みです。PW(プレインズウォーカー)と称されるフィールド魔法的なカードをプレイするとボイスが流れるのですが、それがなかなかに渋くてカッコいい。LoRの時も思ったんですが、やっぱりいいですよボイスは。自分のアバターを変えたり、ペットを戦場に連れて行ったり、スリーブを自分好みに変更したりとオプションが多いのも魅力の一つかなと思います。

 

最後に挙げられるのは、やはりカードゲームとしての歴史ですね。カードの背景にあるストーリーとかフレーバーテキストから伝わるこだわりとか、そういうのはどっちでもいい人間なのでそういった歴史ではないです。僕が言いたいのは、色んな他カードゲームで見てきた様々な要素や効果が大体揃っているということです。どのゲームが先に始めたとかはわかりかねますが、大体MTGが本家なんだと思います。さすが元祖TCG!歴史が集約されている気がします。

 

5 気になった点

ここまでTEPPENを比較対象としてMTGの魅力を羅列してきたのですが、もちろん気になったところも数点ございます。僕自身が気になった点もそうですし、TEPPEN勢が気になるであろうギャップについても書いていきます。

 

①資産のやりくりが難しい

MTGはデイリーやウィークリーのミッションをこなしていくことで徐々にカードが集まってくるタイプのゲームです。ですから始めたての人がガチ勢のデッキをコピーして、そのままランクマッチにいそしむということが難しいです。また、カードを砕いてソウルを生成し好きなカードを生成するということができません。その代わりワイルドカードというものをパック開封の特典などで獲得し、それを変換するという形が一般的です。

 

TEPPENではデッキプレゼント機能やカード変換が可能なので、資産に困るというケースが生まれにくいです。実際に僕はTEPPENを約3年続けている中で120円しか課金しておりませんが資産に困ったことはほとんどありません。とっととガチデッキを組んで無双したいという方はまずここに驚くと思います。ただ、長期的な目で見たら全然無課金でもやれるらしいので最初は格安デッキなどで始めるといいと思います。僕は2万くらいぶっこみました。

 

②連勝することが難しい

TEPPENは20連勝くらいならだれでも容易にできてしまうゲームで、直近100戦の勝率が90%越えなんかも珍しくはありません。一方で、MTGはいろいろなデッキが群雄割拠していることや、やはり先行有利問題などもありますので勝率が伸びにくいのだと思います。ランクマッチ最下層のブロンズ帯でもしっかり動いてくる人が多く勝ちにくかったです。これに関してはいい部分でもあるので何とも言えません。いろいろなデッキと戦うことになるので、各デッキの筆頭カードを覚えるのにまず苦労すると思います。

 

③テンポが悪く、試合時間が長くなりがち

ここはターン制カードゲームの宿命ともいえるべきポイントなので、わざわざ書く必要はないと思ったのですが一応です。自ターンにコストを使い切ってしまい、相手が長考している時間なんかは本当に暇です。TEPPENはリアルタイム性が売りで、テンポもめちゃくちゃ良いですからそこのギャップは感じると思います。試合時間も5分と決まっているわけではなく、ライブラリーアウトもめったにないので腰を据えてじっくり遊びたい方にお勧めできます。

 

④リプレイ機能がなく、試合を見返せない

ここ、マジでなんでやねんとなりました。こんなに分岐点があるゲームなのに見返せないのマジか~と。プレイングを磨いて、自分のできることを増やしていく作業が大好きな僕にとってはかなり致命的なポイントです。おそらく画面録画などで対応することになりますが、PC初心者なので結構きつい。。。

 

6 まとめ

ここまでの話をザックリまとめると、MTGをお勧めできるのはこんな人です。

1. 構築を楽しみオリジナリティを求める方

2. 複雑な効果・選択肢から正解択を洗うのが好きな方

3. 色々なデッキ・戦略を試すのが好きな方

 

敷居が高いと思ってなかなか手を付けていなかったMTGですが、実のところかなり敷居は低いのだと実感しました。紙のほうはスタンダードを追いかけるとなると相当なお金がかかると思いますがデジタルは安くていいですね。対戦相手にも困りませんし。

 

TEPPENはTEPPENの良さがあるので今後もカジュアルに続けていきますが、今僕が腰を据えてガッツリやりたいのはMTGです。ルームマッチができるフレンドを募集してるので一緒に遊びましょう(笑)4月29日に新弾もリリースされたので、まさに今がはじめ時ですよ。僕はPCでプレイしてますが、モバイルアプリ版もあるので安心してください。

 

今後もっとうまくなったら構築記事とか書いてみたいなと思います。それではまた👋