【TEPPEN】スピリット真空の極意

はじめに

こんにちは、ViruSです。今日はGO環境における真空波動拳の解説記事を書いていきます。始めたての初心者を置き去りにすることになりますが、中級者以上なら知っているであろう知識・用語解説は省いてテンポよく話を進めていきます。んじゃさっそくスタート。

 

1 構築について

r3r0nir41.hatenablog.com

構築の大枠については前回お話ししたことから変わっておりませんので、こちらの記事を見れば構築に関しては8割程度理解していただけると思います。今回の記事では、僕がどのような過程を経て真空波動拳というデッキと向き合ったのかを時系列とともにお話しします。

 

①環境序盤

まず環境初期のデッキリストはこれでした。この時点での考えとしては、とにかく攻めることを意識していました。せっかく新弾が来たんだから新シナジーやカードを使いたいという気持ちは全くなく、ただただ合理的に強いリストを模索していました。その結論として組んだのがこの30枚です。

 

②環境中盤(前半)

WCS予選から数日が経過し、メタが変化しました。環境初期は黒単瞬獄殺が多かったのですが、赤単滅昇竜が流行ったことでその数を減らしました。その結果、赤単滅昇竜とミラーのマッチ数が増加したため、真空のリストを少し後ろ寄りに調整しました。バルハラー等を積んだ型も検討しましたが、モイラ採用には大して効果がないのでプレイ時を優先しました。

 

③環境中盤(後半)

環境中期の後半になると、一度環境的に劣勢だった黒単がまた台頭してきました。《黒き断罪》や《巨大な番人》を積んだ少し後ろ寄りの形態変化や瞬獄殺等が増えたため、《バル》を一枚減らすことで手札詰まりを軽減しつつ、《ジンオウガ》と《サガット》を増やした攻撃的な真空へとシフトチェンジしました。

 

④環境終盤

この時期になると、マッチする対面が雑多になってくるというのは毎環境のお約束。その為、攻守両方の側面を併せ持った平均値デッキで安定択をとるか、攻めに寄せたデッキでマッチング運に委ねるかの2択に絞られました。しかし、安定択では盛れないというのが僕の見解で、ポイントを盛るなら振り切ったほうがいいです。ただ、そういった型は短期での結果と引き換えに振れ幅が大きくなりますし、性質的にそのような選択を嫌うので安定択を採用しました。《ミノト》の枠を《バルハラー》に変えるなど、いろいろ試行錯誤したり、形態変化に魂を売ったりしました。

 

⑤結論

今期の総勝利数585勝のうち385勝は真空の考察に割り当てたんですが、その結果たどり着いた結論がこれ。正直、数枚入れ替えるとかは誤差の範疇でしかなくて、基礎的な動きが分かっている人は構築とか関係なく盛れます。少なくとも、真空波動拳を来期から触りだす人はこの構築が一番お勧めできます。

 

調整について思うこと

おそらく僕のブログを読んでくれている人は中間層のプレイヤーが多いと思います。そして、そのほとんどがデッキをコピーするところから始めていて、そこから少しいじるという人が多いのではなかろうか。

 

僕の見解として、その手の人は2100が関の山だと思います。学校の定期テストは要点だけをプリントや資料などで対策すれば点は取れますが、公開テストや実力テストは理屈を理解していないと得点できないのと一緒です。仕組みの部分を根本から理解できていないので、変にいじってデッキを弱体化させてしまいます。

 

「調整する」って実はめちゃくちゃ難しいんですよね。何故ならデッキ理解が必要不可欠だから。ガチ勢とエンジョイ勢が対面相性や構築について議論するとしばしば対立が起きますが、その原因がこれ。共通のデッキ理解がないと、もはやそれは言語が違うといっても過言ではない。

 

僕が調整する際に意識していることは、まずそのデッキを知るということ。そして、ダメ元でもいいから全部試すということです。実際、前回のブログでレビューしたカードはそれぞれ試しましたし、その特性も理解しました。理解したうえで、自分好みにカスタマイズしていきました。

 

正味な話、GOD到達リストが正義ってわけではないですからね。上位者が使っているリストだってそう。まず疑ってかかったほうがいい。シャア専用ザクシャア専用なんだから、自分に合うザクに乗る方が結果が出ます。まずそのデッキについての理解を深めて、そこからカスタマイズしてくださいね。

 

負けの期間を作る

特に新環境一か月目ではこれが大事になります。Tierが高いデッキであればあるほど、正解手・定石というのは早く固まります。抜きんでるために必要なのは、正解手を知ることはもちろん、そのうえで弱い札からの巻き返し方を知ることです。

 

ぶっちゃけ、僕はランクマッチは後半に勝てればそれでいいと思っているので、前半は全部負けの期間としていろいろなことを試します。苦手な対面であえて先出しをしてみるとか、勝ちに行くときは絶対にキープしないハンドで回してみるとか、そういったハンデをあえて背負うことによって勝ち筋の模索を計ります。

 

この作業を怠ると、後半のレート戦で不利を背負うことになります。何故なら、上振れた時の勝ち方しかわからなくなるからです。その結果、不利対面ではまず勝ちきれなくなりますし、同格かちょい下の相手に負け越すことになります。ミラーマッチだってそうです。先出ガン不利?それ、マジで言ってんの?

 

ジンオウガ採用・不採用論

スピリット真空波動拳の構築において、おそらく一番賛否が分かれるのがこれです。結論から先に言うと、最大値を採るか、平均値を採るかの好みの問題です。ジンオウガを出しただけで大きく有利をとれる試合はあります。黒単形態変化対面とかまさにそれですね。ただ相手のハンドに依存します。

 

赤単ミラーやブレイクアウェイ対面では負け筋になるカードなので、平均値を採るなら非採用型が無難でしょう。ちなみに初心者にはお勧めしません。何故なら、ジンオウガはいわゆる持ちもの検査カードで、出した瞬間にプレイの分岐などが全く関係のない試合になる傾向があるからです。

 

相手が回答札を持っていたから負けた、持っていなかったから勝てた、そういった運ゲーの波に自分から揉まれに行くのは最初のうちは控えるべきです。プレイングミスの分岐を洗う作業が、大体ジンオウガ出したのが悪かったとかになります。それらを加味したうえで使用するのはいいと思いますけど、思考停止でジンオウガ採用だけはマジでお勧めしません。構築についてはこれで終わり。

 

2 プレイングについて

ここからはプレイングについて話します。ブレイクアウェイのナーフによって、今まで抑圧されてきたデッキが台頭するでしょうから、今のメタの相性とかプランについては話しません。根幹となるプレイングについて、抽象的にふわっと話します。

 

まず初めに定義しておきたいのは、今期の真空波動拳「可変速度」のミッドレンジデッキであるということです。僕の調整段階でも触れましたが、メタに合わせて防御型・攻撃型に寄せれるように、今期の真空はかなり自由度が高いです。そういった構築面でも可変なのですが、実はプレイングでその特性を色濃く出せます。

 

勝利ルートを使い分ける

真空波動拳には大きく分けて2つの勝路があります。

①攻撃優先ルート

②処理優先ルート

 

まず①のルートは《ヒノエ》や《バラワッシャ》など、臨戦持ちの高スタッツユニットで先陣を切りつつ、《雪姫》や《ガートルード》で援護射撃を行うというもの。これが決まればメタごと貫通できますし、初心者から上級者まで差がでません。傍から見て今期の真空波動拳がヒノエデッキといわれるのは、このルートが印象的だからです。

 

②のルートは《雪姫》や《ガートルード》を起点として相手の盤面を捌くことに重きおき、テンポをとるというものです。その結果じわじわとMP差が開いていき、ライフ差が開いていくという勝ち方になります。対赤単滅昇竜や怪獣ライフアップなんかはこのルートが一般的なのではないでしょうか。

 

①のルートはもともと敵のフェイスしか見ていなくて、盤面を捌いて防御するというよりも《ヒノエ》をパンプしたり、攻撃を通すために打点を飛ばします。一方で、②のルートは盤面勝負にとことん付き合って、処理するために打点を飛ばします。基本はこの2つのルートを対面ごとにセットして戦うのですが、上手い人はこれらをマッチ中に使い分けます。

 

僕の印象の話ですが、真空波動拳を使いこなせていない人はハンドによってルートを決めます。それ故に、引きに結果が支配されているというか、だれが使っても差が出ない感じに仕上がっています。そうじゃなくて、対面相性と盤面状況とライフ差を鑑みた最適解をケースバイケースで割り出す必要があります。こうして自身でギアを上げたり下げたりすることによって個性がでます。

 

真空ミラーについて

ソース画像を表示

僕が今期一番PS差が出ると思っている真空ミラーについて簡潔に解説します。まず議論しておきたいのは、先出し・後出しがどの程度影響するのかについてです。結論から述べると、大して変わらないというのが僕の見解です。話を進める前にいったん下の動画を視聴してください。その後の話がスムーズに入ってくると思います。

 

youtu.be

 

相手のランク帯は1900でしたし、構築も少し怪しいところはありました。とはいえ、先出しした+鬼のような下振れでも捲りきっていますよね。🚨バレッタに真空打つ前にヒノエ出せよっていう突っ込みは受け付けておりません。

 

真空波動拳ミラーにおいて勝敗を分けるのは以下の4要素です。

 

①構築

数枚は誤差なのですが、《スパイダー》や《団長》がハマって暴れるとゲームにならないことがしばしばあります。また、大筋から外れたようなデッキはカードパワー的に勝てないこともあるので、勝敗の要因としては構築が一番大きな割合を占めています。

 

②プレイング

スピリットシナジーを活かす・生贄を活用するなどのデッキ理解がないとゲームになりません。また、リスク分散やMP差から割り出される行動の最適解を算出できないとあっさり負けます。アクションの使い方も非常に大事で、ハンドにアクションが詰まったら、ハンドを整えるために休憩する必要があります。上の試合はまさにアクションの使い方で差が出ていますよね。

 

③運とその管理

結局運ゲーかよ!ってなったそこのあなた、ちょっと待った✋。主要となる《ヒノエ》や《バラワッシャ》が引けておらず、スピリットシナジーを活かせない場合は大きく差がつくというのは事実です。ただ、それが構築的に緩和できる場合は別ですし、デバフ先を絞るために《出刃なまはげ》を素出しするなどの工夫を凝らしていない場合は、運のせいにする資格は全くないということは言っておきます。

 

④先攻後攻

以前までの真空波動拳は受け主体で自発的に攻めるのが難しいデッキでした。ですが今期の真空波動拳はどうでしょう、攻め寄りのデッキじゃないですか?後出しレディシェバシェバという死の呪文もありませんし、かなり実力ゲーだと思っています。確かに実力者同士では選択肢を選べる後出しのほうが若干有利です。ただ、ほとんどのプレイヤーが上で述べた①~③の要素で負けています。文句を言うのは勝手ですけどね。

 

運の管理

先ほどに少し述べましたが、スピリット真空波動拳はこれがものすごく重要になります。例として挙げた素出しなまはげもそうですが、それ以外にもたくさんあります。

 

カードカウンティングしてますか?自分は今何枚○○を切って、○○はデッキに何枚残っているなどを記憶して配牌していますか?これをやらないと下振れた時にとんでもなく弱いデッキになるのが今期の真空波動拳の面白いところです。

 

人間ユニットとスピリットは共依存関係にあるというのは前回のブログでお話ししました。ハンドが悪いからと言ってスピリットを切りすぎてしまうと後半に人間ユニットが弱くなり、前半に人間ユニットを切りすぎると後半にスピリットが弱くなります。このことを理解して、切るべき最適解を考え直してください。

 

また、打点振り分けに関しても同様のことが言えます。希望的観測を極力避けて、確定で処理できる、あるいは分のいい運ゲーまでもっていきます。時にはお願いプレイも致し方ないですが、やらなくてもいい運ゲーは避けましょう。

 

波動の道は険しい

ソース画像を表示

スピリット真空というデッキはいわばTEPPENのイロハが詰まった最高のデッキです。ただ、間違いなく最強のデッキではありません。ブレイクアウェイがいた環境でもそうですが、今後はそれ以上に厳しくなることが予想されます。盛りたいならお勧めしません。

 

ただ、上手くなるためのデッキとしては非常におすすめなデッキなので、長期的な地力を身に着けたい方は是非どうぞ!上級者でも1試合を通してプレミが一つもないというのは稀なので、まずは90%を目指してみてください。ランクインや2100ptは到達可能だと思われます。

 

真空波動拳は言わば修行僧みたいなものなので、デッキパワーで負けたとか、俺はプレミしてないのに負けたとか、運ゲーされたとか、そんな御託をゴチャゴチャ並べる前に、まずプレイを見返して分岐を洗いましょう。

 

おわりに

今回の記事は思うことも多々あったので、少し辛口に書きました。本当はミラーのコツや、《武者の一閃》を《パダム》の返しに打つとその後のスリップダメージも無効化されるなどの豆知識も書こうと思ったのですが、めんどくさくなったので今日はここまでで終わります。それではまた👋ViruSでした。